結婚が決まり、お互いの家族を紹介する大切な機会となるのが「顔合わせ食事会」です。
近年では結納の代わりに、この食事会が両家の初対面の場となるケースも増えています。
この会が和やかに、そして思い出深いものとなるかどうかは、お店選びにかかっていると言っても過言ではありません。
この記事では、顔合わせ食事会の成功に向けたお店選びのポイントから、予約・費用の支払いなどについて、詳しく紹介します。
目次
顔合わせ食事会の重要性
顔合わせ食事会は、新郎新婦にとってはもちろんのこと、これから家族となる両家が初めて顔を合わせ、親睦を深めるための大切な第一歩です。
両親がリラックスして会話を楽しめるような雰囲気作りが重要であり、そのためにはお店選びが成功の鍵を握ります。
この会を通じて、両家の関係を円満に築くための基盤をつくることができるでしょう。
顔合わせ食事会の開催計画
開催が決まったら、いつ・どのエリアで実施するかの検討からはじめます。
時期の決め方
顔合わせ食事会を開催する最適な時期は、両家の両親へ結婚の挨拶を済ませてから1〜3ヶ月以内、そして挙式の6ヶ月前までが目安とされています。
結婚式が近づくと準備で忙しくなるため、早めに済ませておくことが推奨されます。
また、近年意識しない方も増えているものの、両親世代にとっては「大安」などの日柄を気にする場合もあるため、事前に両親の意向を確認し尊重することが望ましいでしょう。
エリアの決め方
顔合わせを行うエリアは、両家の実家が近い場合は問題ありませんが、遠方の場合は慎重に決める必要があります。主な選択肢は以下の通りです。
- 両家の中間地点
- 新郎新婦が暮らしているエリア
- 新郎新婦どちらかの地元
いずれの場合も、両家の交通費や宿泊費の負担が偏らないよう、新郎新婦が間に入ってよく相談し、両家が納得したうえで決めることが大切です。
好印象を与えるお店選びのポイント
時期やエリアが決まったら、いよいよ重要な店選びを行います。
結納ほどかしこまる必要はありませんが、ある程度フォーマルで、なおかつカジュアルすぎないお店を探すのがおすすめです。
顔合わせの食事会で好印象を与えるめには、以下のポイントを意識してお店を選びましょう。
- お店の雰囲気
- 料理
- 立地やお店までのアクセス
では、それぞれの要素について詳しく見ていきましょう。
個室が有るかどうか
顔合わせ食事会で最も重視すべきポイントの一つは「個室の有無」です。
個室を選ぶことで、自己紹介など個人的な会話をする際も、他の客の視線や音を気にせずパーソナルな空間を確保できます。
また仕切りがなく周囲が騒がしい環境では、落ち着いて会話を進めることが難しくなります。
緊張感のある雰囲気を、プライベート空間で心地よいムードに変えられるのも、個室ならではと言えるでしょう。
雰囲気の良さ
顔合わせの目的は両家の親睦を深めることなので、リラックスできる雰囲気の良いお店を選ぶことが重要です。
具体的には、以下のようなお店がおすすめです。
- 中庭の庭園が眺められる料亭
- 接客が行き届いているホテル内のレストラン
- 「顔合わせプラン」を用意しているお店
- 騒がしくないお店
席のスタイルを確認
顔合わせ食事会の平均所要時間は、2時間半〜3時間と言われています。
長時間の会食となるため、参加者が快適に過ごせるような席のスタイルを選ぶ配慮が必要です。
座敷の雰囲気の良い料亭で行うイメージがある顔合わせですが、正座をし続けるのは負担が大きくなりがちなため、足が疲れないテーブル席やイス席があるお店も検討してみましょう。
また、メンテナンスが行き届いていて清潔感があり、ゆったりと座れる席は、参加者に好印象を与えます。
アクセスが良いか
両家の親に負担をかけないためにも、来店しやすいお店を選ぶことが大切です。
駅から近い場所は、遠方からのゲストにとっても分かりやすいといったメリットがあります。
また、遠方から来て宿泊を伴う場合は、会場近くに宿泊施設があるかも確認しておくと安心です。
道に迷って時間通りに進められないといった事態をさせるためにも、道順が分かりやすい場所を選ぶことも意識しましょう。
顔合わせに人気の会場タイプ
具体的なお店選びに迷ったら、まずはどのような会場で行うかから決めるのがおすすめです。
顔合わせの会場として人気があるのはどのような場所なのかを把握しておくことで、お店選びの手助けになるでしょう。
| 会場タイプ | 特徴・魅力 | 雰囲気 | 利便性 | 注意点・選び方のポイント |
| 料亭 | ・和食中心 ・世代問わず好まれる ・旬の食材や郷土料理が楽しめる | 和風の落ち着いた空間 | ・比較的静かな立地が多い | 和食に慣れていない人がいる場合は好みを確認 |
| レストラン | ・料理の種類が多彩 ・カジュアルな選択肢も豊富 | ジャンルにより雰囲気が異なる | ・都市部や駅近でアクセス良好など良い条件のおみせを選びやすい | アジアン・スパイス系など好みが分かれる料理は要相談 |
| ホテル | ・高級感やホスピタリティが高い・宿泊も可能 | 庭園や高層階など特別感のある演出が可能 | ・駅近でアクセス良好なことがほとんど ・遠方ゲストにも安心 | 比較的フォーマルな印象なため服装の準備などには配慮が必要 |
| 結婚式場 | ・スタッフによるサポートが充実 ・会場下見や打ち合わせと兼ねられる | 写真映え・特別感ある | ・結婚式準備の一環として効率的に進行可能 | 会場が限られるため式場決定後に相談する必要がある |
料理選びのポイント
顔合わせ食事会の料理は、普段の食事よりもやや格式高いものを選ぶのがおすすめです。
- 両親の好みや体調に配慮…アレルギーや苦手な食材を事前に確認し、予約時にお店へ伝えておくことで安心して楽しめる
- お酒・ドリンクの好みもチェック…日本酒・ワインなどの好みを把握したり、お酒が苦手な人のためにソフトドリンクの種類も確認したりしておく
- 見た目の華やかさも重視…縁起の良い食材や美しい盛り付けであれば、お祝いの席をより華やかに演出できる
顔合わせに適した料理スタイル
顔合わせでは、個別提供のコース料理がおすすめです。
メニューをその場で注文する必要がないため、落ち着いてゆっくりと食事を楽しめます。
何を選ぶか考える時間がないため、質の高いおもてなしができ、食事の進行もスムーズに運ぶでしょう。
顔合わせで避けたい料理のタイプ
顔合わせ食事会では、会話が途切れたり気を使わせたりする可能性のある料理は避けるべきです。
- 鍋料理…親同士が初対面の場合、鍋を一緒に囲むのは気まずく感じられることがあり、火加減などに気を取られて会話に集中しづらくなります。
- 大皿料理…各自で取り分ける形式は、都度会話が途切れやすく、相手に気を遣わせてしまうこともあるため、個別提供のコース料理が無難です。
- 食べづらい料理（カニ・焼肉・串など）…手を使う料理は食べにくく、会話が中断しがちです。
- 匂いや油跳ねの心配がある料理…天ぷらや鉄板焼きなどは香りや油が服に付くリスクがあるため、落ち着いた料理を選ぶのがベターです。
お店の予約は誰が担当する？タイミングと注意点
顔合わせ食事会のお店探しや予約は、新郎新婦のお二人が主導して進めるのが一般的です。
親を「ゲスト」として招くというおもてなしの気持ちを表現するためにも、2人が率先して手配することが望ましいでしょう。
予約のタイミング
お店の予約は、候補日が決まったら早めに行うのが良いとされています。
ただし、お店によってはあまり先の予約を受け付けていない可能性もあるため、1〜3ヶ月前くらいに予約するのが適切です。
予約時の注意点
予約時には、単に人数を伝えるだけでなく、「顔合わせ食事会での利用である」ことをお店側に伝えるのが非常に重要です。
これにより、お店側も顔合わせに適した席やサービスを提供しやすくなります。
また、個室を利用する場合、個室が何時間制なのかを確認しておくことも忘れてはいけません。
会食は長時間に及ぶため、ゆとりを持った時間設定が必要です。
また、当日両家が気持ちよく過ごせるように、新郎新婦が中心となって服装の格や待ち合わせ場所と時間などを事前にまとめて両家に共有しておくと安心です。
顔合わせ食事会の費用と支払いについて
顔合わせ食事会の費用相場は「5〜10万円未満」とされています。
新郎新婦と両家の両親の6人で行われるケースが多いため、一人当たり約1万円が目安となるでしょう。
食事代の他に、ドリンク代・個室の利用料金・サービス料金がかかる場合もあるため、予算には余裕を持って見積もっておきましょう。
また、顔合わせにかかった費用は、親をゲストとしておもてなしする意味を込めて新郎新婦が負担するケースが多いです。
当日は顔合わせ終盤にトイレに立つなどして離席し、ついでに支払いを済ませるとスマートです。
親に費用の心配をさせないよう、あらかじめ自分たちが負担することを伝えておくことも忘れないようにしましょう。
よくある質問（Q＆A）
Q
両家の好みがバラバラな時はどうする？
A
どちらかに寄せすぎない中間点のジャンルや、複数コースを選べるレストランがおすすめです。
迷ったら、和食をベースにしたコースのある店が幅広い世代に受け入れられやすく安心です。
Q
店選びは新郎新婦が主導で決めていいの？
A
基本的には新郎新婦が主体でOKですが、事前に両親へ候補を伝えて意見を聞いておくとスムーズです。
事後報告ではなく「相談」という形を取ることで、両家の気持ちも大切にできます。
Q
顔合わせにふさわしい「季節感」ってある？
A
料理に旬の食材が使われていたり、店内に季節の装飾があると特別感が増します。
例えば春は桜の見える和食店、秋は紅葉が楽しめる料亭など、季節を意識した演出も選び方のひとつです。
まとめ
顔合わせ食事会は、新郎新婦の結婚を祝う場であると同時に、これから長いお付き合いをしていく両家が初めて親睦を深める大切な機会です。
この会を成功させるための何よりも大切な要素は「両親への心配り」です。
両家の両親がどのようなお店を好み、どのような料理であれば安心して楽しめるかを深く考え、アクセスのしやすさ・個室の有無・席のスタイル・料理の内容・費用の支払い方法に至るまで、細やかな気遣いを忘れないようにしましょう。
準備は大変に感じるかもしれませんが、全員が快適に過ごせるようなお店選びを心がけることが、両家の円満な関係を築く第一歩となります。
新郎新婦のお二人が中心となって、両親の意見を尊重しながら、最高の顔合わせ食事会を実現させましょう。